こんにちは、私はニコチンです。
名前の由来は、植物タバコの学名「Nicotiana tabacum」からです。
タバコ関連の様々な病気を引き起こすと誤解されやすい一人です。
私がタバコの葉に含まれているのは周知の事実ですが、多くのナス科植物の果実成分でもあるって知っていますか?
トマトやクコなどにも私は存在し、これらの野菜や薬用成分は人間の健康に役立つとされています。食べ物はともかく、タバコの中では時代を超えて悪者となっています。これが私の悩みの種です。
タバコが有害と言われるのは、私よりも、ベンゾピレン、一酸化炭素など、タバコの燃焼によって発生する化学物質のせいだと考えられています。害虫から自身を守るためにもニコチンは働くので、私は完全に無害ではありません。
私に夢中(中毒)になって、過度に摂取すると、心疾患や脳血管疾患を引き起こす可能性もあります。
タバコを吸うと、私は煙と一緒に肺に入り、肺胞、肺静脈から血液循環に乗り、動脈血循環を通って6〜10秒で脳に到達します。脳では「ドーパミン」を分泌させ、多幸感、満足感を与えリラックスさせる「安定剤」のような働きをさせることができます。
でも、私は水溶性なので、2〜18時間くらいで代謝されてしまいます。このリラックス効果を継続的に得るためには、繰り返しの摂取が必要で、これが多くの人が私にハマる理由です。
100年近く前から、私のレビューは「死」や「癌」と密接な関係にあり、タバコによる主要な病気の犯人は私であると言われてきました。
しかし、それは私ではなかったかもしれないとも言われ始めています。
一部の専門家は、ニコチンはそれほど有害ではなく、タールや一酸化炭素などその他の物質が主たる原因と言っています。
イギリス国立保健医療研究所(NICE)の公衆衛生ガイドラインは、疾病や死亡の主な原因は、タバコの煙に含まれる毒素や発がん性物質でありニコチンではない、と2013年に言ってました。
“It is primarily the toxins and carcinogens in tobacco smoke – not the nicotine – that cause illness and death.”
*NICE Public Health Guidance: Tobacco Harm Reduction Approaches to Smoking (2013)
また、米国保健省の2010年公衆衛生サービス報告書でも、煙の中には7000以上の化学物質があり、そのうちの数百は有毒で、少なくとも69の発がん性物質が知られていると述べられているが、そこにニコチンは入っていません。
“When individuals inhale cigarette smoke, either directly or secondhand, they are inhaling more than 7,000 chemicls: hundreds of these are hazardous, and at least 69 are known to cause cancer.”
*How Tobacco Smoke Causes Disease: The Biology and Behavioral Basis for Smoking-Attributable Disease: A Report of the Surgeon General.
しかし、ニコチンのためにタバコを吸う人は、タールなどの様々な有害物質に苦しんでいるということを忘れないでください。
法律でも決まっているので吸わない吸わせない、出来れば禁煙を目指しましょう!※健康増進法
※20歳未満の者の喫煙は法律により禁じられています。
望まない受動喫煙が生じないよう、屋外や家庭でも周囲の状況に考慮することが健康増進法上、義務付けられています。